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無から有をうみだすインスピレーションなど、
星新一「きまぐれ星のメモ」
そうつごうよく簡単にわいてくるわけがない。
メモの山をひっかきまわし、腕組みして歩きまわり、溜息をつき、
無為に過ぎてゆく時間を気にし、そのいずれにも不満を感じ、
コーヒーを飲み、自己の才能がつきたらしいと絶望し、
目薬をさし、石けんで手を洗い、またメモを読みかえす。
けっして気力をゆるめてはならない
巨匠も悩みに悩んでいたんだね…
おしながき
インスピレーションの追求
インスピレーションとは「神の啓示に導かれたかのようにひらめいて高まる、精神の働きや、霊感」のことです。
少しスピリチュアルな意味合いも含む言葉ですね。
生涯1000本以上の短編小説(ショート・ショート)を生み出した星新一氏ですが、その作品作りは一朝一夕に行われたものではなく、苦難に次ぐ苦難の果てに何とか生み出されてきたものであることが「きまぐれ星のメモ」にて語られています。
良いアイデアというものは、どうにも容易に浮かぶものではないようです。
考えて、考えて考えて、頭を絞り切った末に、何かのきっかけでふと思いつくのがアイデアだと、ボクは考えています。
筋トレで「もう限界…」と思った後のもうひと頑張りが筋肉になりやすいのと同じです。
考えつくした先に別のことをする
考えを深め、良いアイデアを思いつくにあたり、頭を振り絞る必要があるのは先の引用文の通りです。
では、ずっと思案を続けていればよいのかというと、そういうわけでもないかもしれません。
その理由を脳の働きから説明させていただきます。
赤毛の猟犬
読書・アウトプット量の鬼、読書猿氏の著作「アイデア大全」に「赤毛の猟犬」という発想法が紹介されていました。
これは、とにかく発想したい事柄についてメモを書き殴り、持てる情報をすべて頭に入れたうえで別のことをする(もしくは休む、寝る)という方法です。
運だよりに思えるかもしれませんが、これは実は脳科学の観点から効果的な方法です。
デフォルトモード・ネットワーク
脳にはデフォルトモード・ネットワーク(DMN)が備わっており、何かに集中していない、ぼーっとした状態で活性化します。
この機能は自発的に秘めた考えやイメージ、記憶が呼び起され、創造性や問題解決効率の向上に寄与すると考えられています。
実際、人間は「ぼーっとしている状態」は脳を休めているわけではなく、ただ何となくスマホをいじっている時間と比べて15倍ものエネルギーを消費するというワシントン大学の研究結果もあります。
偉人たちもいったんアイデアから離れている
先に引用した言葉にもあるように、星新一氏も「コーヒーを飲む」「石けんで手を洗う」など、執筆とは別のことをする中でアイデアが浮かぶことを指摘しています。
また、異常な筆の速さで知られる小説家・マンガ原作者・脚本家の西尾維新氏も「寝て起きたら問題が解決している」という理由で仕事が詰まるとベッドに向かい、日に3~4度の分割睡眠を取っているそうです。
おわりに
ボクもゲームプランナーの端くれとして、アイデア出しをすることが多くあります。
時間を区切って思いつく限りのイメージをノートやふせんに書き殴るものの、納得のいく発想に至れないこともままあります。
そんなとき「考えつくした」と思えたら、ちょっと気分転換に、散歩したり、星氏と同じようにコーヒーを淹れたりしてみようと思います。
皆様もぜひ、ぼーっとする時間を利用して脳をフル回転させて、知的生産や創作活動ををしてみてください!
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記事に興味を持たれた方、ボクのことをもうちょっとだけのぞいてみませんか?