【マンガ大賞2022】ノミネート作品レビュー&大賞予想

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普段ゲームサントラの収集をしていることを公言していますが、同じくらいマンガを買い集めるのも大好きです。

まだまだ読めていない名作マンガ(BLEACHとか)はあるのですが、まずは最新の流行に食いつこうと「マンガ大賞2022」で紹介されているマンガをとりあえず1巻読んでみることにしました

以前のブログで「2021年に読んで個人的に刺さったマンガ11選」を紹介しているので、興味のある方はそちらも是非ご参照ください!

夕樹陽彩
夕樹陽彩

ひとつはあなたに刺さるマンガがあるはず!

マンガ大賞2022ノミネート作品レビュー

海が走るエンドロール

65歳を過ぎ夫と死別し、数十年ぶりに映画館を訪れたうみ子。そこには、人生を変える衝撃的な出来事が待っていた。海(カイ)という映像専攻の美大生に出会い、うみ子は気づく。自分は「映画が撮りたい側」の人間なのだと……。心を騒ぎ立てる波に誘われ、65歳、映画の海へとダイブする!!

(Amazon.comより引用)

年齢を重ねると趣味が薄れていくとよく聞きます。体力にも限界があるので仕方ないことだとは思うのですが、今楽しんでいることが将来できなくなると思うと、ボクは少しだけ怖く感じます。

このマンガの主人公は夫と死別したおばあさんです。「映画」ではなく「映画を見る人」が好きな彼女は、映像専攻の美大生との出逢いをきっかけに、娘から「遺産もあるんだから好きなことをしたら」と後押しも受けて「映画を撮る側」を目指し大学へ入学します。

お年寄りになっても好きなことを活力に新しいことに取り組む彼女に勇気をもらいました。

また、美大生の海くんの心理描写も繊細で、映像制作を「趣味」に留めたくない本気の気持ちがひしひしと伝わってくるのも良かったです。

1巻はおばあさんがどんな映像を撮りたいか方向性が決まるところで終わり、続きが大変気になっています。

個人評価
 (3.5)
読みやすさ
 (4)
ストーリー
 (4)

【推しの子】

「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で、産婦人科医として働くゴロー。芸能界とは無縁の日々。一方、彼の“推し”のアイドル・星野アイは、スターダムを上り始めていた。そんな二人が“最悪”の出会いを果たし、運命が動き出す…!? “赤坂アカ×横槍メンゴ”の豪華タッグが全く新しい切り口で“芸能界”を描く衝撃作開幕!!

(Amazon.comより引用)

異世界…ではなく現代転生モノです。一時期Twitter広告で毎日目にしていました。主人公の産婦人科医が、大ファンのアイドルの子に転生してしまうというお話。子どもは双子で、妹もアイドルのファンの転生者でした。

前世の記憶を持つ双子は母であるアイドル、アイに転生者であることを隠し、アイもファンのために出産した事実を隠しながら活動を続けます。

双子はやがて芸能界を目指します。子役の扱い、オーディション、プロダクションの設立など、芸能業界に詳しくなれる職業マンガとしても楽しめる作品です。

「とりあえず1巻読んでみない?」と全人類にオススメしたいマンガでした。

個人評価
 (4.5)
読みやすさ
 (4.5)
ストーリー
 (5)

女の園の星

ある女子校、2年4組担任・星先生。生徒たちが学級日誌で繰り広げる絵しりとりに翻弄され、教室で犬のお世話をし、漫画家志望の生徒にアドバイス。時には同僚と飲みに行く…。な~んてことない日常が、なぜこんなにも笑えて愛おしいんでしょう!?どんな時もあなたを笑わせる未体験マンガ、お確かめあれ!

(Amazon.comより引用)

まず最初、絵柄がそんな好きじゃないなって表紙を見て思ったんです。人間初対面の印象が9割なんて言われますから、本当に面白いのかな?って疑いながらページを開きました。

…めちゃくちゃ面白かったです。

女子校の男性教師のお話ですが、女子高生特有のノリに振り回される姿がとても愉快で、ゲラゲラ笑うと言うよりは終始ニヤニヤしながら読んでしまう素敵なマンガでした。

最初の「学級日誌の絵しりとりが分からない」話はシュールな展開で進んでいくので必見です!

続きがスゴーク気になっています。

個人評価
 (4)
読みやすさ
 (5)
ストーリー
 (4)

自転車屋さんの高橋くん

飯野朋子(はんのともこ)、略してパン子30歳。
上司からのビミョ~なセクハラや同僚からの誘いを断れないのが悩み。
近所の自転車屋で働く高橋くんはいつも距離が近いし、ちょっと強引なところもあるけど…不思議と嫌じゃない。
それどころか、普段は言えない本当の気持ちも彼にならぜんぶ話せる――。
世話焼き年下ヤンキー×ちょいネガティブなアラサー女子のご近所ラブストーリー!

(Amazon.comより引用)

シンプルな恋愛マンガを久々に読んだ気がします!

主人公は実家では居場所がなく、仕事では人付き合いが上手く行かず悩んでいるアラサー女子。

そんな彼女と出会ったのは真逆の存在で「好きなことしかしないし思ったことしか言えない」というヤンキー男子。

お互い言葉をかわすうちに主人公は「自分の居場所」をヤンキー男子に感じるようになり、徐々に恋愛に発展していって…というお話です!

恋愛モノはもどかしさを売りにすることが多いように思うのですが、本作はヤンキー男子のおかげもあってかグイグイ展開するのでモヤモヤはしません。でも続きが気になってしまう…

個人評価
 (3.5)
読みやすさ
 (4)
ストーリー
 (4)

ダーウィン事変

テロ組織「動物解放同盟(ALA)」が生物科学研究所を襲撃した際、妊娠しているメスのチンパンジーが保護された。
彼女から生まれたのは、半分ヒトで半分チンパンジーの「ヒューマンジー」チャーリーだった。
チャーリーは人間の両親のもとで15年育てられ、高校に入学することに。
そこでチャーリーは、頭脳明晰だが「陰キャ」と揶揄されるルーシーと出会う。
「テロ」「炎上」「差別」……ヒトが抱える問題に、「ヒト以外」のチャーリーが、ルーシーとともに向き合うヒューマン&ノン・ヒューマンドラマ。

(Amazon.comより引用)

現代に○○があったら?みたいなSFが大好物なのですが、この作品は「チンパンジーと人間の間の子どもがいたらどのように扱われるのか?」というお話です。

ヒューマンジーであるチャーリーは人間社会で普通の子どもとして育てられますが、やはり人権問題はつきまとってきます。また、野生動物の血が流れていることもあり、人間とは少し常識がずれた考え方を持っていたりもします。

本作には動物愛護の過激派集団が登場しますが、彼らにとってはチャーリーは格好の題材です。

権利、主張、世論が複雑に絡み合う頭を使うマンガですが、現実世界が舞台のため読み進めやすく、人間が抱く様々な思想に触れることができるので勉強にもなります。

個人評価
 (4)
読みやすさ
 (3.5)
ストーリー
 (5)

ダンダダン

幽霊肯定派の女子校生・綾瀬桃と、同級生の怪奇現象オタク・オカルト君。互いに否定するUFOと怪異を信じさせるため、桃はUFOスポットの病院廃墟へ、オカルト君は心霊スポットのトンネルへ行くのだが…。運命の恋が始まる!? オカルティック怪奇バトル開幕!

(Amazon.comより引用)

都市伝説、と聞くだけでワクワクするボクにとってはあらすじを読んだ瞬間好きになるだろうなと思ったマンガでした。なのでマンガ大賞2022で発表される前から読んでいたマンガの中の一冊になります。

終始コメディチックに進む本作ですが、異能力バトルのテンポ感が最高に気持ちいいです。力技でゴリ押すシーンもあれば、相手の怪異の性質を活用した知的な戦略を巡らせるシーンもあります。

敵味方お互いの能力に「周知の特性がある」というのが特徴的だと感じました。

下ネタが多いので苦手な方もいそうですが、ボクはノリが好きで楽しんで読めました。

個人評価
 (4)
読みやすさ
 (4)
ストーリー
 (4.5)

チ。―地球の運動について―


舞台は15世紀のヨーロッパ。異端思想がガンガン火あぶりに処せられていた時代。主人公の神童・ラファウは飛び級で入学する予定の大学において、当時一番重要とされていた神学の専攻を皆に期待されていた。合理性を最も重んじるラファウにとってもそれは当然の選択であり、合理性に従っている限り世界は“チョロい”はずだった。しかし、ある日ラファウの元に現れた謎の男が研究していたのは、異端思想ド真ン中の「ある真理」だった――

(Amazon.comより引用)

たしか連載開始当初、Twitterで第一話が大変話題になったと記憶しています。

今でこそ当然のこととなった地動説ですが、古くは地球こそが宇宙の中心であり、地球は不動で宇宙が動いているのだという天動説が正しいとされていました。宗教的な意味合いで地動説を唱えるものは罰せられることもあったそうです。

そんな時代に生きながら地動説を信じ、後世に研究のバトンを繋ぐ人々が求めたのは「合理性」です。天動説より地動説の方が「法則的に美しい」という点を信じた男たちの信念に心を揺さぶられました。

学問を論じるお話なので少し文字の量が多いですが、それでも苦なく読み進められたのはマンガとしての構成のわかりやすさなのではないかと思います。

個人評価
 (4)
読みやすさ
 (4)
ストーリー
 (3.5)

トリリオンゲーム

1,000,000,000,000$稼いで、
この世の全てを手に入れろ!
世界一のワガママ男・ハルと、まじめなガク。
最強の二人がゼロから起業、ミラクルを起こす!!

(Amazon.comより引用)

宝くじ当たらないかな~と誰でも一度は思いますが、本作はGoogleの時価総額1兆ドルを稼いで「何でも買える人間になろう!」を目指す若者コンビのお話です!

陽キャで行動派、知識はないけれど策略を練るのが得意で人付き合いもいいハルと、陰キャだけどプログラミングの知識が豊富で真面目なガク、凸凹な二人のコンビネーションが読んでいて気持ちいいです!

原作者は「Dr.STONE」でおなじみの稲垣理一郎先生で、ハルの思い切った売名戦略が度肝を抜かれました。

お金に執着する人は汚いと思われがちですが、読んでいるとそんなイメージも一変して自分も何かお金を稼ぐことをしてみたくなる作品でした。

個人評価
 (3)
読みやすさ
 (5)
ストーリー
 (4.5)

ひらやすみ

生田ヒロト、29歳、フリーター。定職なし、恋人なし、普通ならあるはずの?将来の不安も一切ない、お気楽な自由人です。そんな彼は、人柄のよさだけで、仲良くなった近所のおばあちゃん・和田はなえさんから、タダで一戸建ての平屋を譲り受けることに。そして、山形から上京してきた18歳の従姉妹・なつみちゃんと2人暮らしを始めました。しかし、彼の周りには生きづらい“悩み”を抱えた人々が集まってきて…

(Amazon.comより引用)

日々をなんとなく過ごしていたフリーターの男性。なんとなく仲良くなってご飯をごちそうしてもらっていたおばあさんが亡くなり、家を相続することになります。

マンガ大賞2022ノミネート作品の中ではザ・日常モノという感じで、おばあさんの死も悲しくはあれどそこまでシリアスに描かれることはなく、主人公といとことの同棲生活がほのぼの描かれます。

個人的に惹かれたのは絵柄で、ゆるい生活感を描く作品にあまりにもマッチしていて気張らずに読めるところが良かったです。

個人評価
 (4.5)
読みやすさ
 (4.5)
ストーリー
 (3.5)

ルックバック

自分の才能に絶対の自信を持つ藤野と、引きこもりの京本。田舎町に住む2人の少女を引き合わせ、結びつけたのは漫画を描くことへのひたむきな思いだった。月日は流れても、背中を支えてくれたのはいつだって――。

(Amazon.comより引用)

「チェンソーマン」作者、藤本タツキ先生の作品です。Web上で新作読み切りとして発表された本作は大変な話題を呼びました。ボクはWebで読んだ後、コミックスも購入しました。

マンガで漫画家を描くといえば「バクマン。」がありますが、藤本先生がそんな王道青春マンガを描くわけもなく…様々な作品へのリスペクトが随所に散りばめられている(らしい)、不思議な読み切りとなっています。

ジャンルとしてはSFに当たるのでしょうか…?重層構造のため分類を明言するのは難しい気もします。

ボクとしては序盤の藤野ちゃんの「京本への嫉妬」を元にした努力に胸打たれました。「才能」とは努力のもとにあって、努力を努力とも思わない人のことを「天才」と呼ぶのだと思うのですが、藤野は決して天才ではないことを自覚してストイックに自分を高める道を選択したのが良かったです。

本作を語る上で一番重きをおくべきなのは後半の展開だとは思うのですが、個人的には青春モノが大好きなので前半が刺さってしまいました。

個人評価
 (3.5)
読みやすさ
 (4)
ストーリー
 (4)

大賞予想

個人的1位予想は「【推しの子】」です!

理由としてはとにかくテンポ感がよく、ストーリーも斬新で読みやすさが群を抜いていると感じたからです。

最近では葬送のフリーレンやブルーピリオドが大賞を受賞してきましたが、フリーレンなら「寿命が長い生物の感情」、ブルーピリオドでは「自分に自身のない高校生が受験に挑む感情」が緻密に描写されていました。

【推しの子】も主人公の一人アクアがとある信念のもと芸能界入りして虎視眈々と情報集めに徹するお話なので、感情の推移が見ていて面白く、上位に入賞するのではないかと予想しました!

大賞結果

対象は「ダーウィン事変」でしたね!

新しい観点から動植物との共生を探る深いテーマの作品なので納得です!

おわりに

マンガ大賞2022ノミネート作品が発表される前から読んでいた作品も多かったのですが、改めて賞の候補に挙がるとなると自分の好きなものが周りにも人気だったことに気づけてなんだか嬉しいですね!

来年も同様にレビューしたいと思っているのでお楽しみに!

このブログでは趣味のゲームサントラ収集についても記事を書いておりますのでそちらも是非ご覧ください!


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